チャコリの産地の特徴

スペイン、バスク地方の地ワインのチャコリ、実は産地が3つあります。
この3つの産地のそれぞれの特徴について、紹介していきます!

「世界一の美食の街」として世界中の旅行者を虜にする街、サン・セバスチャン。
このサン・セバスチャンがあるのが、ギプスコア県です。

チャコリを作っている3つの県には、それぞれに原産地呼称制度の委員会があります。
3県のうち、一番早く原産地呼称制度の認定を受けたのがこの地域で、1989年に認定されています。
この地で作られるチャコリは、「チャコリ・デ・ゲタリア」という認定を受けています。
ゲタリアというのはギプスコア県の海沿いにある町の名前で、そこのワイナリーが中心になってこの認定制度が始まったので、「チャコリ・デ・ギプスコア」ではなく、「チャコリ・デ・ゲタリア」なんです。

この地域で作られるチャコリの飲み方として伝統的なのはこの写真のようにボトルを高いところに持ち上げてグラスに勢いよく注ぐ、エスカンシアという注ぎ方です。
TVの番組などでご覧になった方もいるのではないでしょうか?
サン·セバスチャンのバルでも、こうやってチャコリが提供されるので、これをみると『おお〜バスクに来たなあ!』という感じがするものです。

ではなぜこのような飲み方をするのかというと、この地域の気候が大きく関係しています。
3つの県の中で、一番雨の多いこの地域のぶどうは、ぶどうに酸がしっかりと残ります。
栽培技術や醸造技術が未熟だったその昔は、『酸が残る』というようなやさしいものではなく、『酸っぱい!』ぶどうから、チャコリが作られていました。
『酸っぱい』ぶどうから出来上がった当時のチャコリはやっぱり『酸っぱい!』ので、その味わいをいくらかでも和らげるために、高いところから勢いよく注ぎ、空気に触れさせて酸味を柔らかくするというような飲み方をされていたそうです。

今では栽培技術も醸造技術も発達し、ワイナリーの中には『このチャコリはエスカンシアしないで欲しいな』というようなところも出てきました。
でもやっぱり、目にも楽しいこの注ぎ方は、この地域ならではの楽しみだと思います。

この写真のバルは、サン·セバスチャンの旧市街にある『ゴイス·アルギ』。
エビのプランチャ(鉄板焼)が名物です。
さわやかな酸味とプチプチの微発泡のこの地域のチャコリとの相性は言わずもがな!
思い出して身悶えてしまいます(笑)

ゴイス・アルギの名物、エビの鉄板焼き。
野菜を使った爽やかなソースがまたチャコリに合う!



ビスカヤ県のチャコリ

さて、次はお隣の産地、ビスカヤ県。
『チャコリ・デ・ビスカヤ』について紹介します!

とその前にいきなり余談ですが、この『チャコリ・デ・ビスカヤ』という呼び方はスペイン語です。
『ビスカヤのチャコリ』という意味ですね。
バスク地方では、スペイン語とは別に、バスク独自の言語、バスク語が公用語となっています。
チャコリの原産地呼称にも、スペイン語だけではなくバスク語表記もあって、バスク語だと『ビスカイコ・チャコリーナ』ってなるんですよ。
チャコリーナって可愛くないですか?
バスク語についてはまたどこかでお話ししたいなと思います^^

さてさて、産地の紹介にお話を戻します。
この地域が原産地呼称の認定を受けたのは1994年で、先日ご紹介した『チャコリ・デ・ゲタリア』につづき2番目の産地です。
この産地では、ぶどう畑が海側、山側の色々なところに点在しており、味わいのバランスが取れたチャコリが生産されています。

さて、ビスカヤといえば、大きな都市はビルバオですが、皆さんビルバオにはどんなイメージをお持ちですか?
旅行に行かれた方の中には、空港!という方も多いんじゃないでしょうか?
バスクを旅するときに、一番使うのがこのビルバオ空港ですからね。
空港から真っ直ぐサン・セバスチャンに行って、ビルバオには帰国前夜に一泊したよ〜という方も結構いらっしゃいますね。

……..いや、それじゃもったいないんです!!もちろん、サン・セバスチャンは美食の街として有名ですが、ここビルバオの美食も侮るなかれ!

ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェのピンチョ、『ホセリーニ』。
スペインの激ウマ生ハ厶ブランド、『ホセリート』の生ハムをクリスピーな食感のパンの上に載せて。その下にはフォアグラが隠れてます。


そしてここの地のチャコリの提供のされ方は、サン・セバスチャンのバルとは違います。Noエスカンシア!で、ワイングラスでの提供です。

飲んでみると、酸味は穏やかで、微発泡なし!また趣が違います。魚介類にももちろん良く合いますが、程よいボリュームがありお肉とも○、また違った美味しさがありますよ!

アラバ県のチャコリ

まさにまさにまさに「山バスク」な風景。
この渓谷沿いに、葡萄畑があります。ここまで登るの、結構大変。

さて、チャコリの産地、最後の一つは、アラバ県!
『チャコリ・デ・アラバ』、バスク語だと『アラバコ・チャコリーナ』です。

アラバ県は、バスク3県のなかで唯一内陸、海に面していない産地です。
葡萄畑は県内のアヤラ渓谷という渓谷沿いに点在しており、計100haほどの小さな産地です。(ワイナリーの件数は6件!もちろん3つの産地の中で一番少ないです。)
アラバの一番の特徴は、3つの県の中で一番雨が少ないこと!(サン・セバスチャン近郊に比べて半分ちょっとくらい。)そのため、育てられるぶどうに凝縮感がしっかり出ます。

この地域で作られるチャコリは、ビスカヤと同じように微発泡なしのスタイルが一般的です。
私はこの地のワイナリーで働いていたのですが、働き始めたすぐのころにお昼の休憩時間にみんなで1本開けて飲むことがあり、ふつうにワイングラスに注いで飲んでいたので、何の気なしに「ここではエスカンシアしないんだね。」と同僚(地元在住)に聞いたところ、「絶対するなー!!」って言われまして。(笑)
うちのチャコリは、エスカンシアしないで十分美味しいんだと。

これだけ聞くと、エスカンシアしないチャコリがいいチャコリで、エスカンシアするのはワインとして未熟だからという考えになりそうなんですが、違うんです!
サン・セバスチャンの友人と飲みながら話していた時に、「エスカンシアっていうのは、ギプスコアの人たちが自分たちのチャコリを美味しく飲むための発明なんだよ。」と言っていたのが印象的でした。
外から行った私からすると、それってすてきだな~と。
どっちの考えも楽しい、みんな違って、みんないい!

おわりに

いかがでしたか?
バスクの地ワインといわれるチャコリですが、隣り合う3県それぞれにその地で育まれる地ワインがあり、そこに住む人々は自分たちの地のワインにすごく誇りと愛をもっているんだなーと感じました。
なので私はどこの県のチャコリも大好きです^^

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